バーレーンと湾岸諸国の比較経済史:

ブローデルの方法論

 

摘要:

研究の目的はバーレーンと湾岸諸国の比較である(~と~の比較or ~と~を比較すること)。フェルナンド・ブローデルが作った方法論で研究を行なう。ブローデルの方法論は歴史構造を三つのレベルに分けて分析することである。

 

序論:

当初は、日本に留学生しながら、公平にバーレーンとシンガポールの経済史を比較したいと考えていた。バーレーンとシンガポールには多くの類似点があるが(例:歴史、地理、社会、政治)、シンガポールの方が経済的に発展しているので、経済発展のベンチマークとしてバーレーンはシンガポールの例に倣うべきである。

 

一 橋大学での研究生の間に、歴史学を大刷新したフランス歴史家のフェルナンド・ブローデルの革命的な作品を知るようになった。ブローデルの地方と国家の歴史 の分析の方法論は包括的かつ強力な道具である。ブローデルの方法論の上に、経済指標と経済データを使用するつもりである。ブローデルの方法論の詳しい説明 は下記の「研究方法」で明らかにする。

 

加 藤博先生との相談で、バーレーンと湾岸諸国の学術研究は少ないので、修士論文はバーレーンと湾岸諸国を比較したほうが有効であるとの示唆を頂いた。博士論 文でバーレーンとシンガポールを比較する際には、修士論文でのバーレーンと湾岸諸国との比較研究から得た知見を有効に活用できると考えている。実際には、 ブローデルの方法論で、修士論文と博士論文の両方で、バーレーンと湾岸諸国を研究して、またシンガポール・モデルを研究したいと思う。

 

簡潔に言えば、修士論文はバーレーンと湾岸諸国の地理的な分析で始まり、地理的な位置や地質構造などの結果を見る。地理的レベルの研究は「地理的な時間」(Geographic Time)と名付けられている。次に、バーレーンと湾岸諸国の社会を比較する。社会的レベルの研究は「社会的な時間」(Social Time) と名付けられている。そして、バーレーンと湾岸諸国の個別的な事象解析(経済・政治・社会的)を研究する ― 「個別的な時間」(Individual Time) と名付けられている。そのアプローチで、バーレーンと湾岸諸国の構造のアイデンティティーを説明することができる。その結果では、バーレーンと湾岸諸国の個別的な問題(例:失業率が高い(バーレーン人の労働者の20%くらい)、バーレーンの石油埋蔵資源の枯渇など)を調べる。結びに、研究の結果から、改善への提言を行う。さらに注目すべきことは、そのテーマの研究は、中東の経済史の分野における新しい研究の道を開くものである。

 

リサーチ・クエスチョン:

バー レーンと湾岸諸国の研究は少ないので、その研究においてその地域の知識のギャップを埋められると思う。バーレーンと湾岸諸国の研究は少ないだけではなく、 たとえ存在しても時代遅れの古い研究が多い、またその多くは私の研究したい問題と無関係であり、多くの場合政府側のプロパガンダという要素も持っている。 修士論文と博士論文は日本に留学している間に書くので、客観的判断を守れると考えている。研究したい疑問はバーレーンと湾岸諸国の歴史構造からこれらの国 々のアイデンティティ-を明らかにし、個々の国の経済問題のため、改善への提言を行う。

 

 

研究目的:

バーレーンと湾岸諸国について十分な学問的知識を提示する。

ブローデルの歴史分析方法論で、未だ研究が少ない地域を研究する。

バーレーンと湾岸諸国について新たな意見を集め、未だ学問的研究がない問題に脚光を当てる。

バーレーンと湾岸諸国の経済問題の改善への提言を行う。

バーレーンと湾岸諸国の経済問題への研究意識を高める。

博士号を得った後、バーレーンで政界に入り、バーレーンの将来に影響を与えたいと考えている。

 

 

研究方法:

 修士論文の主なやり方は、フェルナンド・ブローデルが作った歴史分析方法論である。ブローデルのThe Mediterranean and the Mediterranean World in the Age of Philip IIはブローデルの方法論を例証している。簡単に言えば、ブローデルの方法論は歴史を三つのレベルに分けて分析する。三つの歴史的の分析の大切さはそれぞれ全く同じである。すなわち、歴史の三つのレベルの要因は、それぞれ変化速度がある。従って、歴史の要因は色々な異なった速度で変化している。歴史の三つの構造的レベルは:

「地理的な時間」(Geographic Time/ The Role of the Environment):地理が及ぼす効果を調査する。(例:地理的な位置、地質学的特徴、環境など)。「地理的な時間」は変化が遅いという特徴がある。なぜなら、地理的な変化は最高何千年というタイムスパンで影響を及ぼすからである。

「社会的な時間」(Social Time / Collective Destinies and General Trends):社会構造が及ぼす効果を調査する。(例:宗教、社会動学、民族分布など)。「社会的な時間」は変化が中間速度であるという特徴がある。なぜなら、社会的な変化は最高何百年のタイムスパンで影響を及ぼすからである。

「個別的な時間」(Individual Time / Events, Politics and People): 個別的要因の及ぼす影響を調査する。(例:政治史、外交活動、軍事の歴史など)。「個別的な時間」は急速に変化する。

 ブローデルの方法論は包括的かつ強力である。しかし、ブローデルの方法論に対しては、データに基づいていないという反対論があった。したがって、フェルナンド・ブローデルは後期の作品には経済データを用いていた。私の研究においては、経済と人口のデータ(例:国勢調査、経済指標など)で結論を支持する。

(注意点― データ収集に対し大きな支障となるは次の問題である:(1) バーレーンと湾岸諸国は振興独立国家であり (2)バーレーンと湾岸諸国の株式市場はほとんど活動的ではない。)

 

 

期待される結果:

バーレーンと湾岸諸国のアイデンティティーについての基本的理解を確立する。

経済問題の原因である政治・社会的な問題を指摘する。

 

 

研究予定:

2006年9月―2007年2月:

フェルナンド・ブローデルの作品を勉強。

東京にあるバーレーンと湾岸諸国の大使館でのインタビュー調査。

文献からデータを集める。

2007年2月―2007年4月:

バーレーンで、バーレーンと湾岸諸国のデータを集める。

バーレーン大学とバーレーン研究館(Bahrain Centre for Research and Studies)で相談。

バーレーンの新聞会社の記録保管所でデータを探す。

2007年4月―2007年5月:

データを「地理的な時間」、「社会的な時間」、「個別的な時間」に分類する。

資料を1冊の本に纏める。

2007年5月―2007年7月:

纏めたデータについて先生に相談する。

バーレーンの労働省や新聞に失業問題についてインタビュー調査を行なう。

2007年7月―2007年9月:

修士論文の第1稿を提出する。

2007年9月―2007年12月:

第二稿を提出する。

2008年1月―2007年2月:

最終草案を提出する。

博士論文の準備を始める。

引用文:

 

Fernand Braudel, The Mediterranean and the Mediterranean World in the Age of Philip II Vol. 1, Uni. Of California Press. Ltd. (1995), ISBN 0-520-20308-9

Hassan Ali Radhi, Judiciary and Arbitration in Bahrain, Kluwer Law International (2003), ISBN 90-411-2217-6

Nadeya Sayed Ali Mohammed, Population and Development of the Arab  Gulf States: The Case of Bahrain, Oman and Kuwait, Ashgate Publishing Limited (2003), ISBN 0-7546-3220-2

Emile A. Nakhlah, Bahrain: Political Development in a Modernizing Society, St. Mary’s College Press (1976), ISBN 0-669-00454-5

Nasrat Abdullah Al-Bastaki, Japan and the Gulf: Diplomatic Strategy and Development Planning (Arabic Language), Arab Institute for Research and Publishing (2004), ISBN 9953-36-565-2

 

(Singapore-Studies)

 Lee Kuan Yew, From Third World to First: The Singapore Story 1965-2000, HarperCollins Publishers (2000), ISBN 0-06-019776-5

Belinda Yuen, Planning Singapore: From Plan to Implementation, Singapore Institute of Planners (1999), ISBN 981-04-0573-1

Gavin Peebles and Peter Wilson, Economic Growth and Development in Singapore: Past and Future, Edward Edgar Publishing (2002), ISBN 1-84064-741-8 (cased)

Saw Swee-Hock, The Population of Singapore, Institute of South East Asian Studies (1999), ISBN 981-230-053-8

 

(Other Resources)

Economist Intelligence Unit (EIU), website: http://www.eiu.com

 

  Freedom House, website: http://www.freedomhouse.org

 

       Bahrain Brief (Pub: Gulf Centre for Strategic Studies), website: http://www.bahrainbriefs.com.bh

       Voice of Bahrain, website: http://www.vob.com

        Bahrain Economic Development Board, various publications, website: http://www.bahrainedb.com

        Singapore Economic Development Board, website: http://www.edb.gov.sg

        Kingdom of Bahrain, Official Website, http://www.bahrain.gov.bh

        Kingdom of Bahrain Ministry of Commerce, various publications, website: http://www.commerce.gov.bh

 



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